恐ろしい二つの地図
やがて日本を溶かしさる「グローバリズム」の進展。
私がかねて恐れていたのは、日本が次のようになってしまうことでした。

上の画像の出所は分かりませんが、周辺諸国を併呑する中国の帝国主義的な野望を表現した地図として数年前に流布されていたものです。おそろしくもありましたが、あまりに現実離れした荒唐無稽な地図でもあると思いました。
しかし、上の地図に酷似する下の画像の出所ははっきりしています。

上の画像は、安倍政権がTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)と並行して参加を進めているRCEP(アールセップ: 東アジア地域包括的経済連携)の参加国の地図です。
TPPがアメリカが主導する経済統合の枠組みならば、RCEPは中国が主導する経済統合の枠組みです。
TPPが、当初はシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4つの小国間でスタートし、その後アメリカが主導するようになったように、RCEPもASEANが提唱したものでありながら、実質的に中国が主導しているという点でも、この二つは似ています。
中国がTPP参加に前向きであるというニュースが以前流れましたが、中国がTPPに参加するにせよ参加しないにせよ、アメリカの主導するTPPと、中国の主導するRCEPは、いずれFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)へと統合されていきます。

日本が中国に併呑されるとしたら、日本が中国と大々的な全面戦争をした結果、敗北して中国に併呑されるわけではなく、戦争などすることもなく、静かに平和裏のうちに、併呑されていくのです。

しかも、その併呑は、一部の「保守」が味方だと信じてすがっているアメリカを介して行われていきます。アメリカと中国という二大グローバル国家が接近し融合していく、その狭間で、日本は大きなクジラの胃袋の中に放り込まれて、跡形もなく融解していきます。
冷戦時代に、アメリカにすがることでソ連の脅威を生き延びた成功体験をいまだにひきずって、「特亜」が嫌いだからアメリカにすがればよいと単純に考える彼らは、アメリカと中国が、冷戦時代の米ソのような対立関係にはなく、融和と接近をこれから一層深めていくという点を見誤っています。
このことは、アメリカに渡る中華系移民の数が年々増えているという事実を取り上げても、簡単に理解できる話です。中華系アメリカ人たちは、アメリカ国内で経済力や政治力を今後ますます強めていきます。アメリカそのものが多かれ少なかれ中国化していけば、アメリカに傾斜することが「特亜」から逃れるための解にはなりえないことは、自明のことです。
上の言葉は、長野朗(1888~1975年)という中国専門家が戦前に執筆し、戦後GHQによる焚書の対象となった書物からの引用です。
「資本による侵略」「武力による領土侵略」「民族移住的な侵略」
この中の一つが契機となって他を誘発する。そして三つが渾然と一つになって展開するのが、現代のグローバリズムです。
たとえば、
と連動していくように。
このグローバリズムの展開を日本国内で推進する役割を担っているのが、安倍晋三という男です。

上の画像の出所は分かりませんが、周辺諸国を併呑する中国の帝国主義的な野望を表現した地図として数年前に流布されていたものです。おそろしくもありましたが、あまりに現実離れした荒唐無稽な地図でもあると思いました。
しかし、上の地図に酷似する下の画像の出所ははっきりしています。

上の画像は、安倍政権がTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)と並行して参加を進めているRCEP(アールセップ: 東アジア地域包括的経済連携)の参加国の地図です。
RCEP、TPP相次ぎ会合 関税分野で本格協議 19~23日
日本が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)と、環太平洋連携協定(TPP)交渉の閣僚会合が19~23日、ブルネイのバンダルスリブガワンで相次いで開かれる。アジア・太平洋地域の大型の経済連携交渉を加速化するためで、TPP閣僚会合では焦点である関税分野の協議を本格化させる見通しだ。日本にとってセンシティビティー(慎重を要する分野)である農林水産分野の関税をどう守るのか、最初の正念場を迎えることになる。
(出典: 日本農業新聞 2013年8月19日)
TPPがアメリカが主導する経済統合の枠組みならば、RCEPは中国が主導する経済統合の枠組みです。
TPPが、当初はシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4つの小国間でスタートし、その後アメリカが主導するようになったように、RCEPもASEANが提唱したものでありながら、実質的に中国が主導しているという点でも、この二つは似ています。
中国がTPP参加に前向きであるというニュースが以前流れましたが、中国がTPPに参加するにせよ参加しないにせよ、アメリカの主導するTPPと、中国の主導するRCEPは、いずれFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)へと統合されていきます。

(画像出典: 経団連「アジア太平洋地域における経済統合の推進を求める」)
日本が中国に併呑されるとしたら、日本が中国と大々的な全面戦争をした結果、敗北して中国に併呑されるわけではなく、戦争などすることもなく、静かに平和裏のうちに、併呑されていくのです。

しかも、その併呑は、一部の「保守」が味方だと信じてすがっているアメリカを介して行われていきます。アメリカと中国という二大グローバル国家が接近し融合していく、その狭間で、日本は大きなクジラの胃袋の中に放り込まれて、跡形もなく融解していきます。
冷戦時代に、アメリカにすがることでソ連の脅威を生き延びた成功体験をいまだにひきずって、「特亜」が嫌いだからアメリカにすがればよいと単純に考える彼らは、アメリカと中国が、冷戦時代の米ソのような対立関係にはなく、融和と接近をこれから一層深めていくという点を見誤っています。
このことは、アメリカに渡る中華系移民の数が年々増えているという事実を取り上げても、簡単に理解できる話です。中華系アメリカ人たちは、アメリカ国内で経済力や政治力を今後ますます強めていきます。アメリカそのものが多かれ少なかれ中国化していけば、アメリカに傾斜することが「特亜」から逃れるための解にはなりえないことは、自明のことです。
「アメリカの侵略は資本を押し立てて行われる『資本による侵略』であり、ロシアの侵略は『武力による領土侵略』であり、シナの展開は『民族移住的な侵略』である。」
上の言葉は、長野朗(1888~1975年)という中国専門家が戦前に執筆し、戦後GHQによる焚書の対象となった書物からの引用です。
「資本による侵略」「武力による領土侵略」「民族移住的な侵略」
この中の一つが契機となって他を誘発する。そして三つが渾然と一つになって展開するのが、現代のグローバリズムです。
たとえば、
尖閣の危機を煽る→日米強化の必要性の強調→TPPなどの構造改革や規制緩和→移民の推進
と連動していくように。
このグローバリズムの展開を日本国内で推進する役割を担っているのが、安倍晋三という男です。
「ではいかにして、成長を図るのか。国を開くこと、日本の市場を、オープンにすることです。これは、政治家となって以来、私の中に流れる一貫した哲学でした。7年前に総理となったとき、私は、日本とASEANのEPAを締結するよう、交渉を急がせました。今回、再び総理となって最初の課題が、米国を中心とするTPP、そしてEUとのEPAに、果たして乗り出すべきか否かでした。TPPへの反対は、自民党を支持した皆さんにもありました。私は、全力で、説得しました。そのうえで、交渉参加に断を下しました。 私が追い求める日本とは、世界に対してどこまでも、広々と、オープンにつながる日本です。」
「世界から、ヒト、モノ、カネを呼び込んで、それを成長の糧としてまた大きくなる。そんな日本をつくる闘いが、私の取り組む闘いです。」
「私の成長戦略は、官僚たちに書かせた、ただのエッセイではあり得ません。私がアンダーライトし、実行するものです。」
「そして選挙が終わったらどうするか。私はこれからの3年を、集中的な改革の期間と位置付け、持てる政治力を、投入します。固い、岩盤のような日本の規制を、私自身をドリルの刃(やいば)として、突き破ろうと思っています。」
(出典: 平成25年6月19日: 安倍晋三によるロンドンでの講演)
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