窮すれば則ち変じ、変ずれば則ち通ず。

TPP反対の声をあげることこそが、「戦後レジーム」からの脱却につながる。
※この記事は、旧ブログの記事TPP反対の声をあげることこそが、「戦後レジーム」からの脱却につながる(2013年4月24日)の再掲です。

「窮則變、變則通。」(窮すれば則ち変じ、変ずれば則ち通ず。)


「四書五経」の一つ、『易経』の中の言葉です。

「情勢が行き詰まってどうにもならなくなると、変化が起きる。変化が起きれば、行き詰まりを打破する道が自ずと開かれる」という意味です。

今、日本は、文字通り行き詰まっています。

失政と迷走を重ねた民主党政権がようやく終わり、期待と喝采の中で生まれた安倍自民党政権。

暗黒の時代をくぐり抜けて、やっと私たちは光を手にしたはずでしたが、事もあろうか「愛国・保守」の権化として鳴り物入りで生まれたこの政権が、日本の歴史上のいかなる政権をも遥かに凌駕する売国政権であることが、日に日に国民の目に明らかになりつつあります。

さりとて、他にどんな現実的な選択肢も残されていないわけですから、これを行き詰まりと呼ばずして何と呼びましょう。

しかし、私は、まさにこの行き詰まりこそが、長かった「戦後レジーム」に終わりを来らせ、新しい時代の扉を開けるきっかけになるものだと思います。

戦後68年、(サンフランシスコ講和条約発効からは61年)。どうしてこんなにも長い間「戦後レジーム」は続いてきたのか。

それは、単純に言えば、居心地がよかったからです。

変化しなくても、どうにかやってこれたからです。

あるいは、ちょっと困ったことがあっても、カタログの中から他の商品を選ぶように、別の政党を選んでいれば済んでいたからです。わざわざ「戦後レジーム」から脱却する必要がなければ、誰もそこから脱却しようとしないのは当然のことです。

もう一つの理由は「戦後レジーム」の中に、そこから抜け出すことを私たちにあきらめさせるような仕掛けがあらかじめ仕組まれていたことです。

その仕掛けを「冷戦構造」といいます。

周りを恐ろしい敵対的な勢力にとり囲まれ、またそのことが過剰に強調され、その恐ろしい敵から守ってもらうためには、「戦後レジーム」の中に留まらざるをえないのだ、「戦後レジーム」から抜け出すことは死を意味するのだ、と私たちは長く刷り込まれてきました。

しかし、今は違います。

「戦後レジーム」から抜け出すことが、死を意味するのではなく、「戦後レジーム」にこれ以上留まることが、死を意味するような状況に私たちは追い込まれています。

文字通り、私たちは「窮している」のです。

民主党を選んでもだめ。自民党を選んでもだめ。サヨクを選んでもだめ。ウヨクを選んでもだめ。

既成のどんなものを選んでも解決できない、本当の行き詰まりに私たちは直面しています。

しかし、そうであるからこそ、

「窮則變、變則通。」(窮すれば則ち変じ、変ずれば則ち通ず。)


ここから、本当に新しい道が開かれていくチャンスが、今、生まれつつあるのだと、私は思います。

その第一歩は、TPPに対して大きな反対の声を上げることです。

「おかしいことはおかしい」

「ならぬものはならぬ」

と安倍政権に対して、はっきりと批判の声をあげる事です。

そして、冷戦的二極的思考から脱し、右でも左でもない、第三の新しい道しかもはや日本を救う事はできないという事実に多くの日本人が気づくという変化が起きたときに、「戦後レジームから」の脱却は自ずと果たされていくのだと思います。

よく、私に聞いてくる方がいます。

「自民党がだめなら、どの政党を選べばいいんだ。」

「安倍さんがだめなら、他に誰がいるんだ。」

この問いに対する答えは、カタログから選ぶように「この政党を選べば解決する」「この政治家を選べば解決する」というような政党や政治家は一つも存在しないということです。

どの政党や政治家を選んだとしても、それは解決にはなりません。

これが「窮している」ということの意味です。

本質的な変化が起きるためには、私たちは、徹底的に「窮する」必要があります。

徹底的に窮して初めて、新しい道が開けてくるはずです。

他に解決がないからといって、自民党や安倍政権をこのまま支持し続けることが許されないのは言うまでもありません。

自民党と安倍政権は、明らかに、TPPや道州制を通して、国家の死をもたらそうとしているからです。

「自民党しかないじゃないか」

「安倍さんしかいないじゃないか」

そのような「戦後レジーム」的なモラトリアムにぬくぬくとうずくまり続ける時間の余地は、もう私たちには残されてはいません。

窮しながら変じていくしか、もう他に道はないのです。
*
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No title

どのような政治家も日本では結局、同じような方法をとるてんで、誰か同じような団体が、裏から圧力をかけているように思えます。
もともと、政治家の人たちは、まじめにこの国を考える人達だったのかもしれませんし、そもそも、権力に取り憑かれていた人たちだったのかもしれません。
政治家に、政治を任せていた市民のせいでこうなったという意見もありえます。
右とか左とか、現実を理解する手助けにはなりますが、イデオロギーの外にある現実に対してはまるで効力を持ちません。イデオロギーの目で世界を見ると同時に、イデオロギーの外からも世界を見ることが必要です。
イデオロギーを超えて、現実的な解決方法について、そろそろ考え始めるべきだと思います。

現状の政治への
打開策としては、オキュパイヲールストリートのように、デ政治家にたよらない、デモのような、市民による政治の場を形成することが有効かと思われます。
オキュパイヲールストリートや、最近日本で行われた、学生による、特定秘密保護法の反対デモは、デモでありながら、ただ叫ぶのではなく、祭りのように楽しくやることで、敷居を下げて、デモを止める人たちに止めづらくする効果がありました。実際政治家に与える影響は相当に大きかったらしいです。
何もデモという形を撮らないにしても、ハーメルンの笛吹き男のように、楽しげに民衆を先導して祝祭日的な民意の主張を行うことで、政治家に勝手に政治を行わせず、国民の手に政治を取り戻すことが必要だと思われます。

最後の砦?

TPPの話は麻生政権の頃からあったそうですが、表に出てきたのは、「平成の開国」と言い始めた、民主党の菅政権からです。

野田政権では従米姿勢はいっそう鮮明になり、TPP交渉参加と消費税増税を推進しました。

鳩山は、年次改革要望書を廃止しましたが、その一方で、日本は日本人だけのものではないと唱え、東アジア共同体というグローバル政策を推進しました。

明らかに、民主党政権は、グローバリズムから日本を守る、最後の砦などではありませんでした。

民主党が「悪」だから、自民党が「善」だと信じ込むことは、愚かな行為ですが、同じように、自民党が「悪」だから、民主党を「善」と信じ込むことも、同じように愚かな行為です。

バカなのは、このような単純な善悪二元論でしか物事を考えることができない、あなたのような方です。

やれやれ

市民の意思を受けている民主党政権を潰させてしまったことが、最後の砦の崩壊を招いているんだけど。バカなの?

記事の動画化

この記事を動画(音声版)にして、ニコニコ動画に投稿しました。

窮すれば則ち変じ、変ずれば則ち通ず。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm21644312

この言葉を知っていたわけではありませんが、私は人生で「窮すれば則ち変じ、変ずれば則ち通ず。」を経験しました。今もその途中と言えば、途中です。

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参考記事; 道州制: 何が問題なのか
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