安倍政権の本質: 保守主義と新自由主義の結合
愛国で釣って国を売る、小泉劇場の再演。
※この記事は、旧ブログの記事安倍政権の本質: 保守主義と新自由主義の結合 (2013年2月20日)を再掲したものです。
一橋大学名誉教授の渡辺治という政治学者が、安倍政権の本質を的確に指摘した文章がありますので、ぜひお読み下さい。
ひらたくいえば、安倍政権の押し進めようとする新自由主義的政策によって、格差は広がり、競争は激化し、弱肉強食の世の中になる。そうすれば人心は荒む。荒んだ人心を慰撫し、社会の分裂を防ぐために、日の丸や天皇という愛国的なシンボルが必要になる。
それが安倍政権の本質であると、渡辺治氏は述べています。
つまり、
新自由主義政策を実現するために、人々の愛国心を利用する
ということです。
安倍政権は、一見すると、保守的・愛国的に見えますが、彼らは、決して、日本の「国体」、日本の文化や国家の枠組み、日本の国益を守り抜こうとしているわけではないということに、みなさんに気づいていただきたい。
日本の「国体」を守ろうとする政権が、党内に200名を超える反対者を抱えていながら、ただちにTPP不参加を決定しないなどということが考えられますか?
日本の「国体」を守ろうとする政権が、国家を切り刻む道州制を導入するなどということが考えられますか?
安倍政権の目的は、あくまで、大企業や国際金融資本に利益を誘導するために、TPPや道州制などの極めて過激な新自由主義政策を実現させて、国家の枠組み、つまり「国体」を解体し、解消し、希薄化させることにあります。
そのために、みなさんの愛国心を彼らは利用しています。
「新自由主義」という言葉が何を意味するのか、具体的にイメージしにくい方は、小泉政権時代を思い出してください。
社会の格差が広がり、「勝ち組」と「負け組」に国民が二分されました。ホリエモンのように一攫千金をものにする人々がいる一方で、失業者や、派遣労働者、お正月をあたたかな家の中で迎えることすらできないたくさんのホームレスが街にあふれました。自殺者も増えました。まじめに汗水垂らして働くことがばかばかしくなり、いかに楽をして儲けるかばかりを考える風潮が広がりました。家庭の主婦までもが投資にのめり込むようになりました。
靖国神社に参拝し、愛国者のふりをしながら、このような社会を日本にもたらしたのが小泉純一郎でした。そして、そのとき幹事長として小泉純一郎の売国を補佐していたのが安倍晋三です。
TPPや道州制が実現してしまったら、そのときに訪れるであろう格差社会は小泉時代の比ではありません。
「安倍さん、さすが」と手を叩きながら、
みなさんは、自分の子どもたちに地獄を用意しています。
「どうして、こんな世の中なの?」
「どうしてこんなに生き辛いの?」
彼らが、みなさんを恨めしそうに見つめる日がまもなくやってきます。
みなさんは日米同盟のためなら、TPPも仕方がないと考えるかもしれません。
安倍さんが決めることならば、安倍さんを信じて、受け入れようと思うかもしれません。
しかし、子どもたちに、上のように問われたとき、
「日米同盟のためなのだから、仕方がないじゃない」と説明できますか?
「安倍さんが決めたことなのだから、がまんして受け入れなさい」と答えられますか?
子どもたちに地獄を味合わせたくなければ、
今、体を張って、TPPと道州制を止めて下さい。
それこそが「大人の」日本人の責任であり義務です。
日本は、今、大変な危機の状態に置かれています。
目を覚ましていただきたい。
そして、声を挙げていただきたいと、強く願います。
一橋大学名誉教授の渡辺治という政治学者が、安倍政権の本質を的確に指摘した文章がありますので、ぜひお読み下さい。
【安倍政権誕生の背景と運動の課題】保守主義と新自由主義の結合
(前略)
三番目は天皇や家族の重視。新自由主義による企業リストラ、福祉の削減で貧富の格差が拡大し、社会の分裂が進んでいる。しかし社会統合の破綻を、所得再分配の政治で補うわけにはいかない。そこで天皇を中心としたまとまった社会や、家族による福祉などを持ち出す。
軍事大国の象徴である天皇というより、新自由主義で分裂した社会のまとまりの象徴である天皇像です。さらに彼らは日本の含み資産と言われた家族を復活させたい。
一見すると復古的に見えるけれど、新自由主義によって壊れた社会を再建するための天皇制や家族の役割の強調です。
――幻想をばらまいているだけと思えます。
新自由主義は、福祉国家や自民党型の利益誘導政治とも違い、自分の力で社会の分裂を修復できないのです。新自由主義の政策をやればやるほど社会は分裂してしまうので、ナショナリズムや新保守主義、強権政治と結びつかざるを得ない。
フランスで右翼が台頭しイギリスのサッチャーが新保守主義理念を振りかざしたのはその例です。
新保守主義は市場経済の昂進による個人の孤立、競争や伝統社会の絆の解体という見地から、新自由主義に厳しく反対します。教育についても、日の丸・君が代は強調しても、競争主義的な格差と分断には抵抗する。しかし安倍首相の掲げる保守主義には、新自由主義に反対する「健全な」部分はかけらもありません。大企業の発展のためなら、地域も伝統も容赦なく壊す、都合のよいところだけ復古的なものをつまみ食いしているだけです。
(出典: 日本ジャーナリスト会議 2013年01月27日)
ひらたくいえば、安倍政権の押し進めようとする新自由主義的政策によって、格差は広がり、競争は激化し、弱肉強食の世の中になる。そうすれば人心は荒む。荒んだ人心を慰撫し、社会の分裂を防ぐために、日の丸や天皇という愛国的なシンボルが必要になる。
それが安倍政権の本質であると、渡辺治氏は述べています。
つまり、
新自由主義政策を実現するために、人々の愛国心を利用する
ということです。
安倍政権は、一見すると、保守的・愛国的に見えますが、彼らは、決して、日本の「国体」、日本の文化や国家の枠組み、日本の国益を守り抜こうとしているわけではないということに、みなさんに気づいていただきたい。
日本の「国体」を守ろうとする政権が、党内に200名を超える反対者を抱えていながら、ただちにTPP不参加を決定しないなどということが考えられますか?
日本の「国体」を守ろうとする政権が、国家を切り刻む道州制を導入するなどということが考えられますか?
安倍政権の目的は、あくまで、大企業や国際金融資本に利益を誘導するために、TPPや道州制などの極めて過激な新自由主義政策を実現させて、国家の枠組み、つまり「国体」を解体し、解消し、希薄化させることにあります。
そのために、みなさんの愛国心を彼らは利用しています。
「新自由主義」という言葉が何を意味するのか、具体的にイメージしにくい方は、小泉政権時代を思い出してください。
社会の格差が広がり、「勝ち組」と「負け組」に国民が二分されました。ホリエモンのように一攫千金をものにする人々がいる一方で、失業者や、派遣労働者、お正月をあたたかな家の中で迎えることすらできないたくさんのホームレスが街にあふれました。自殺者も増えました。まじめに汗水垂らして働くことがばかばかしくなり、いかに楽をして儲けるかばかりを考える風潮が広がりました。家庭の主婦までもが投資にのめり込むようになりました。
靖国神社に参拝し、愛国者のふりをしながら、このような社会を日本にもたらしたのが小泉純一郎でした。そして、そのとき幹事長として小泉純一郎の売国を補佐していたのが安倍晋三です。
TPPや道州制が実現してしまったら、そのときに訪れるであろう格差社会は小泉時代の比ではありません。
「安倍さん、さすが」と手を叩きながら、
みなさんは、自分の子どもたちに地獄を用意しています。
「どうして、こんな世の中なの?」
「どうしてこんなに生き辛いの?」
彼らが、みなさんを恨めしそうに見つめる日がまもなくやってきます。
みなさんは日米同盟のためなら、TPPも仕方がないと考えるかもしれません。
安倍さんが決めることならば、安倍さんを信じて、受け入れようと思うかもしれません。
しかし、子どもたちに、上のように問われたとき、
「日米同盟のためなのだから、仕方がないじゃない」と説明できますか?
「安倍さんが決めたことなのだから、がまんして受け入れなさい」と答えられますか?
子どもたちに地獄を味合わせたくなければ、
今、体を張って、TPPと道州制を止めて下さい。
それこそが「大人の」日本人の責任であり義務です。
日本は、今、大変な危機の状態に置かれています。
目を覚ましていただきたい。
そして、声を挙げていただきたいと、強く願います。
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