国土強靱化を批判していた西部邁
西部邁と安倍晋三と国土強靱化。
保守言論人として知られた西部邁氏が、その予告の通り、自死を遂げられたそうですが、特に感慨はありません。
私が動画などでの発言を通して西部邁氏に対し抱く印象は、アンチ左翼としての「保守」思想しか語らなかった言論人。
右派も左派も包摂するような「保守」思想を提示できなかった言論人。
近代を批判しながらも、右や左という近代的な二次元平面上を右往左往することしかしなかった言論人。
そして、チャンネル桜やその他の「保守」言論人たちと同様、安倍政権に期待と支持を煽っておきながら、ろくに責任を取らなかった言論人の一人にすぎません。
2012年1月14日に放送されたTOKYO MXの「西部ゼミ」という番組で、西部邁氏は、第一次安倍政権をバッシングしたマスコミを批判し、安倍晋三に総理職に復活せよと呼びかけています。
安倍元総理の日本国民に訴える【1】 西部ゼミ2012年1月14日放送
ネオリベ政権であった第一次安倍政権を真の保守政権として持ち上げ、これを批判したマスコミをバッシングするのは、民主党政権時代にネトウヨの間に蔓延していたのと同じ認識です。
ネオリベを批判しながら、ネオリベ政治家である安倍を支持する、チャンネル桜や三橋貴明のような「保守」系言論人たちと同じ矛盾を犯していたわけですが、どうしたら、黒いカラス(ネオリベ政治家)が、白く(反ネオリベの保守政治家)であるかのように当時の西部邁氏の目に映ったのか、私にはさっぱり分かりません。
第二次安倍政権以降、安倍政権が断行してきた数々の構造改革を目にしても、「もはやこれまで」などと自嘲的に語ったり、安倍政権の政策をやんわりと批判することはあっても、安倍政権を強く糾弾する言葉は、西部邁氏の口から聞かれなかったように思います。
そんな西部邁氏ですが、昨年の10月に下のような発言を残しています。
国土強靱化を唱える藤井聡氏は、西部邁氏の弟子と認識していましたが、西部邁氏は、国土強靱化は保守ではないと主張していたのですね。
全く、知りませんでした。
私が動画などでの発言を通して西部邁氏に対し抱く印象は、アンチ左翼としての「保守」思想しか語らなかった言論人。
右派も左派も包摂するような「保守」思想を提示できなかった言論人。
近代を批判しながらも、右や左という近代的な二次元平面上を右往左往することしかしなかった言論人。
そして、チャンネル桜やその他の「保守」言論人たちと同様、安倍政権に期待と支持を煽っておきながら、ろくに責任を取らなかった言論人の一人にすぎません。
2012年1月14日に放送されたTOKYO MXの「西部ゼミ」という番組で、西部邁氏は、第一次安倍政権をバッシングしたマスコミを批判し、安倍晋三に総理職に復活せよと呼びかけています。
安倍元総理の日本国民に訴える【1】 西部ゼミ2012年1月14日放送
ネオリベ政権であった第一次安倍政権を真の保守政権として持ち上げ、これを批判したマスコミをバッシングするのは、民主党政権時代にネトウヨの間に蔓延していたのと同じ認識です。
ネオリベを批判しながら、ネオリベ政治家である安倍を支持する、チャンネル桜や三橋貴明のような「保守」系言論人たちと同じ矛盾を犯していたわけですが、どうしたら、黒いカラス(ネオリベ政治家)が、白く(反ネオリベの保守政治家)であるかのように当時の西部邁氏の目に映ったのか、私にはさっぱり分かりません。
第二次安倍政権以降、安倍政権が断行してきた数々の構造改革を目にしても、「もはやこれまで」などと自嘲的に語ったり、安倍政権の政策をやんわりと批判することはあっても、安倍政権を強く糾弾する言葉は、西部邁氏の口から聞かれなかったように思います。
そんな西部邁氏ですが、昨年の10月に下のような発言を残しています。
常に状況は新しいわけだから、それは処方箋ではあり得ません。対処法を示唆してくれる存在として、伝統というものがある。だから、悪習と良習を区別しながらも、伝統を壊してはならないと考えるのが保守主義です。
こうした定義に照らし合わせると、安倍首相は最初から保守ではなかったわけです。実は第一次安倍政権が退陣した後、世間から総バッシングを受ける中で、僕だけは彼に手を差し伸べた。1年間にわたって毎月1回のペースで「保守とは何か?」というテーマの勉強会を開催して励ましたのです。
ただ、第二次安倍政権が発足してからは一度だけ食事をともにしただけで、意識的に距離を置くようにしています。だって、政治になんて関わりたくないし、もともと安倍さんには特に悪意を抱いていない一方で、特別に期待もしていないから。
(出典: ダイアモンド・オンライン 2017年10月3日)
ただ、アベノミクスにおいて、安倍政権が国土強靱化をはじめとするインフラ投資に躍起になっていることは嘆かわしい。あまりにも近視眼的で、ただ橋を何本つくり替えるとかいった施策を進めているだけに過ぎないからです。国のインフラ(下部構造)を整備するに当たっては、まずはスープラ(上部構造=日本社会の今後の方向性)についてしっかりと議論することが大前提。しかし、それがまったく欠如しているのが実情です。
これで保守と言えるのでしょうか。
(出典: ダイアモンド・オンライン 2017年10月3日)
国土強靱化を唱える藤井聡氏は、西部邁氏の弟子と認識していましたが、西部邁氏は、国土強靱化は保守ではないと主張していたのですね。
全く、知りませんでした。
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